今年度RI会長のゴードンマッキナリー氏は、うつ病で実の弟さんが自殺されたそうです。弟を失った後、マッキナリー氏は「あの時、もっと話をしていれば弟は死なずに済んだかもしれない」という自分を責める気持ちで一杯になったそうです。そんな経験からマッキナリー氏はメンタルに問題を抱えていることは恥ずかしいことではないという意識を世間に広めて、他人に相談しやすい環境を整えましょうと主張しています。鬱病の治療法の一つに認知行動療法があります。これは医師でなくても家族でもできます。鬱になった時に考え方を変えるアドバイスをする法です。例えば、仕事の納期に間に合わず、上司に謝りのメールと入れたが、上司から返事が来ないという出来事があったとします。その時に「上司は怒っているから返事をくれないのだ」と認知するのではなく「上司がメールを確認していないだけだ」と認知するようにアドバイスすれば、落ち込む必要がありません。また後で怒られたとしても「あなただってメールの返事が遅かったではないか」と心の中で言い返せば良いのです。
次の図を御覧ください。また門司先生の解説では自殺原因の一つは神経の炎症であるという説が話題になっているそうです。自殺で死んだ人の脳を解剖すると炎症性サイトカインの濃度が高いそうです。脳に炎症があると幸せホルモンであるセロトニンの分泌が減ります。つまり、自殺予防に家族でも薬局で買えるロキソニンなどの炎症止めが効くかもしれないと言う意味です。今後さらに研究が進み家族や友人が行えるうつ病の治療が進歩することを僕は切望しています。