ご挨拶 Greetings

大阪中之島ロータリークラブ 2023-24年度会長 戸田 佳孝

大阪中之島ロータリークラブ 2023-24年度会長 戸田 佳孝

今年度、私の掲げた目標の1つ目は「ロータリアンとしてのプライドを堅持できるクラブ造り」です。18世紀末期のシカゴではアルカポネに代表されるギャングの暗黒時代であり、儲け第一主義、騙されたほうが悪いと風潮がありました。その風潮を見かねた弁護士であるポール・ハリス氏が1905年に信頼できる人達と親睦を深めたい3人の仲間と結束したのがロータリークラブの始まりです。1911年コリンズ氏は「 自分の職業は相手の望んでいる事をかなえるために使いましょう」というお金儲けをしたいという欲望を抑えた個人が抱く職業奉仕の理念を唱えます。この職業奉仕の理念があったからロータリアンは世界の人から信頼されていきます。1970~90年代にはロータリーのエンブレムを着けていると税関審査がなかったという話もあります。また、ロータリアンには社会的ステータスがあるから素晴らしい人が入会してきます。ロータリアンであった松下幸之助さんは新谷パストガバナーに「例会場ではロータリアンは皆平等だから松下君と呼んで下さい」とおっしゃったそうです。しかし、最近の国際ロータリー(RI)は引退者や仕事に従事していない主婦などを入れて会員増強したいので「公共イメージの向上」の中から「職業奉仕を強調する」目標を削除しました。このようなことをしていれば、古き良きロータリアンがロータリーに背を向けて去って行ってしまう可能性があります。ロータリーが他の慈善団体と異なるのは職業奉仕の理念があるからであり、私は職業奉仕の理念を大切にすることがロータリアンのプライドにつながると考えています。
今年度国際ロータリー会長であるゴードン R. マッキナリー氏は、「次年度以降、ロータリーはメンタルヘルスサービスの改善に取り組んでいく。」と述べています。また、2660地区今年度ガバナーである延原健二氏も「コロナ禍で傷ついた人々の心をケアすることに力を入れたい」と語っています。さらにマッキナリー氏は「メンタルヘルスでほかの人を助けることで、本質的に自分自身が最も助けられるのだ」と述べています。
私は地区職業奉仕委員会に3年間所属し、ロータリーの根幹である職業奉仕の精神を学びました。マッキナリー氏の「人を助けることで自分自身が最も助けられる」という考え方は1910年シェルドン氏が唱え、後に職業奉仕のモットーとなった「 最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」に通じると考えます。2016年国際ロータリーの定款に「自己の職業上の手腕を社会の問題やニーズに役立てるためにクラブが開発したプロジェクトも職業奉仕に含まれる」という一文が追加されてから、理念の職業奉仕だけではなく実践の職業奉仕が推進されるようになりました。そこで本年度当クラブの目標は「自己の職業経験を活かし、他人の心を癒やす」クラブとしました。
また、私は整形外科医としてポリオの後遺症であるポストポリオ症候群の患者さんを診療してきました。日本でも未だにポリオで苦しんでおられる方が沢山います。そのことを世間の皆様に知ってもらい、「世界からポリオを根絶しなければ、いつかまたポリオは貴方の大切な人の幸せを奪う」という認識を持ってもらうように活動する所存です。
今年一年間大阪中之島ロータリークラブにとって飛躍の年にするため会員の皆様のご理解とご協力ほどお願い申し上げます。

大阪中之島ロータリークラブ 2023-24年度会長
戸田 佳孝