本年度RI会長マッキナリー氏は今後ロータリーはメンタルヘルスに力を入れると述べています。我々の世代がこれから気をつけなければならないのは認知症になって家族をうつ病にしてしまうことです。なお、認知症の発症年齢の平均は51.3歳ですので、ここにいるすべての会員は認知症が始まっていてもおかしくありません。同じ認知症になるにしても怒りっぽいつまり易怒性の認知症で老害にはなりたくないですよね。安藤先生によると怒りっぽい認知症になってしまうポイントは三つあります。それは執着、孤独、自己顕示です。「執着は『~すべき』という、自分のこだわりや考えに囚われ、他人にもそれを押し付けてしまうことです。孤独は、コミュニケーション不足。素直に自分の気持ちを伝えられず、さらに相手の言う事を理解しようとしない。自己顕示は一方的に『正しい事を教えてやる』という傲慢さ。いずれも歳を重ね自分が社会の主人公から外れていくという恐怖感が根底にあるのです。それが『怒り』となって表れ、老害と呼ばれる現象を引き起こすのです」。だから、中年期以降は執着、孤独、自己顕示を止めましょう
では笑顔の認知症になるためにはどうすればよいのでしょうか? 次の図を御覧ください。松本先生達の研究では本人や家族から本人が好きな曲を聞き取り、分からない場合は生活歴と年齢を照らし合わせて曲を探し出し、10名の認知症患者さんにその思い出の曲を聞かせました。その結果、笑顔がみられることが多くなり、不穏行動の回数も減少しました。だから、中年期からは思い出の曲を良く聞くようにしましょう。また、林先生達は65歳以上の高齢者でまだ認知症を発症していない人を対象に,認知症カフェ参加する82名と認知症カフェに参加しない73名で表情の変化を比べました。その結果、フェイススケールは認知症カフェに参加した人の方が明らかに改善しました。つまりロータリーの例会に参加することは怒りっぽい認知症になるのを防いでくれると思います。