皆さんプレゼンティズムという言葉をご存知ですか?疾病出勤の訳されていますが、仕事を休むほどの病気ではないので仕事に来ているが、仕事の効率が著しく落ちている状態です。仕事をしながら腰痛を抱えている人は日本では多いですが、戸田クリニックでは新型コロナ流行前に比べて流行後は腰痛ベルトの消費量が急増しています。
1865人のサラリーマンを対象とした調査ではコロナ流行前に腰痛なく出社できていた人がコロナ流行後に腰痛をかかえながら出勤している、つまり腰痛によるプレゼンティズムが起こる危険率は4.26倍に達しました。その理由はリモートワークによって座る時間が長くなったことも関連しますが、精神的な問題、特にうつ状態が関連しています
次の図をご覧下さい。今年度マッケナリー会長はコロナ後に病んだ人の心を癒やすことを目標の一つにあげています。週刊文春」2023年6月15日号によると日本のうつ病やうつ状態の人の割合は、2013年の調査では7.9%でしたが、2020には17.3%と倍以上になっており、日本人の6人1人がうつ状態です。つまり、うつは腰痛と同じく日常茶飯事の病気になりました。不眠はうつ病の九割に関連すると言われます。朝5時に目が覚めていた人が、理由もなく毎日朝3時起きるようになったらうつのサインです。六十歳以上の目標睡眠時間は6時間~8時間であり、6時間未満との睡眠は心身の健康を損います。うつの初期症状は普段几帳面だった奥さんがお皿を洗わなくなる、普段穏やかだった人が急に怒りっぽくなるなど、感情のコントロールができなくなることです。うつの原因の一つは脳から分泌される幸せホルモンであるセロトニンの減少です。セロトニンの分泌を増やすためには日光を浴びて運動をすることです。セロトニンの分泌が増えると日々の暮らしへの意欲が高まり、認知症の予防にもなります。また、セロトニンは夜間に睡眠に関わるメラトニンの原料でもあるので、不眠も解消されます。つまり、朝の散歩などがうつの予防になります。お試し下さい。