2023年9月28日会長の時間。ポリオ撲滅が遅れている理由の一つはアメリカとイスラム過激派の確執

2023年9月28日会長の時間。ポリオ撲滅が遅れている理由の一つ2023年9月28日会長の時間。

今日はCIAによるビン・ラディン暗殺がポリオ撲滅運動に与えた影響についてお話します。以下はアメリカの情報雑誌GQという雑誌からの引用です。時系列でお伝えします。2010年4月ごろシャキル・アフリディ医師はパキスタンにあるアボッターバードにあったビンラディン氏所有の邸宅の玄関にその家の子供を呼び出し、ポリオの生ワクチンを飲ませ、子供の特徴を記録しました。2011年4月21日アルディ医師はバクートとアムナという地元の看護師にビンラディン氏のDNAと一致するか判定するシートを肝炎ウィルスの判定シートだと偽って渡しました。「子供の腕から血液を1滴採取し、シートに垂らし、現れた線が1本なら肝炎は陰性で、2本なら陽性です。陽性ならば肝炎ワクチンは接種せずに帰って来なさい」と指示しました。そして、居留守を使っているビンラディン邸に電話をして「この前、ポリオワクチンの時に来た医師です。子供の肝炎ワクチンのための緊急検査が必要です。看護師を派遣します」と切迫した口調でまくし立てました。

そして2011年5月2日ビンラディン氏を暗殺しました。つまり、ポリオワクチンで安心させておいて、2回目は肝炎ワクチンのための調査だと称して、地元の看護師だけを派遣してDNA判定を行ったのです。だからビンラディンの信奉者は「ポリオワクチン接種チームは偵察隊だ」だという口実の下、ワクチン接種チームを襲撃するようになりました。悲しい憎しみの連鎖だと思います

目次