9月は基本的教育と識字率向上月間です。週報に挟んだ図をご覧下さい。識字率の低い国では、出産に関する知識が薄く、妊婦が悲惨な目に合いやすいです。Budi先生達はサハラ砂漠より南のアフリカ14ヵ国の15~49歳の女性185388名に産科瘻孔に関する知識と識字率との関係を調べました。産科瘻孔とは未熟な肉体の少女が妊娠し、村人の助けのみで陣痛開始から何日間もかけて分娩した結果、膣に孔が開き、傷が膀胱や直腸とつながり、尿や便が膣から漏れ、感染症を起こす病気です。その結果、産科瘻孔という病気を知っていたのは37.9%でした。つまり6割の女性が産科瘻孔という病気を知りませんでした。特に識字率の低い地域の女性では、産科瘻孔に対する認識率が低かったです。
また、Azimi 先生達のアフガニスタンにおける1人以上の新生児を出生した女性18790人を対象とした調査では、8326例(43.8%)は妊婦健診を一度も受診していませんでした。その理由は47.1%の女性の医療に関する意思決定は夫が行いっており、自分の意志で病院を受診できない割合は識字率と相関していました。
若い女性が自分の病気について正しい知識を得るためにも識字率の向上は重要です。 また古川先生の調査では先進国では「識字率」は平均寿命に対して明白に影響していないにもかかわらず「乳児死亡率」に対しては明白に影響していました。我が子が窮地に陥った時には母親が字が読めれば、必死で対処法を調べるからだと考えられます。このように識字率は病気と大きく関係しているから向上させる必要があると考えます。